exhibition〈 一語一衣 〉第 1 話
第 1 話
平らけく安らけく
{ 衣 } 節綿呼光藍母衣 / 節綿藍草遊子二衣
“ 村人が畑仕事に精を出す中、私たちは畦道を散歩したり、村の年長者に野山の薬草を教わったり、食事に困ることなく、毎日を過ごした。季節の移ろいは、都にいた頃とは比べ物にならないほどに美しく穏やかで、私は歌を詠むことも日課になった。鈴はと言うと、跳ねる蛙を追いかけて草むらを駆けずり回ったり、泥だらけになって田畑でいたずらをしたり、奔放そのものだった。”
(「平らけく安らけく」より )
i a i
{ 衣 }
節綿呼光藍母衣 / 節綿藍草遊子二衣
〈 染 〉
本藍
〈 布 〉
遠州十字揚柳 / 遠州木綿
〈 寸法 〉
母衣( 節綿呼光藍母衣 )
身丈126㎝ / 身幅 58㎝ / 袖丈 44㎝ / 肩幅 / 35㎝
子二衣( 節綿藍草遊子二衣 )
長衣 身丈48㎝ / 身幅 40㎝ / 頭囲 52㎝
羽織 身丈18 ㎝ / 身袖幅 70㎝
〈 モデル身長 〉
母衣
約170 cm
子二衣
約90cm
〈 i a i より 〉
先藍染めを中心としている遠州染織から生地を譲り頂く。
僕はいつだって顔のみえる交歓が心に沁みこむ。
藍布の手さわりを躰に流して精一杯自身の美意識をささげたいといつも想う。
「先染め」は綛糸の状態で丹念に染色を積み重ね
その一本一本の糸の持つ色や風合いを生かしながら
縞柄や変わり織りなどで織りに変化を持たせ
生地として生まれ変わらせていく技法の一つ。
家族形態で行う一貫手作業による染織の体現。
藍の気配、気品ある質感、そして生みだされる背景には
僕の制作風景に近しいもの感じたからまっすぐに惹かれていった。
遠州十字揚柳は、祈りのような記号が好みで、
母と、子の安息を願って衣と成した。
exhibition〈 一語一衣 〉
第 1 話
平らけく安らけく
{ 衣 } 節綿呼光藍母衣 / 節綿藍草遊子二衣
〈 制作 〉
衣 i a i
物語 こじょうゆうや
写真 とうめい
exhibition〈 一語一衣 〉は
第 2 話へ続きます。
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