exhibition〈 一語一衣 〉第 5 話
第 5 話
夜という名の街
「月へ」「街の人々」
{ 衣 } 屑繭焔色老女二衣
“「 待たせたな、小さな客人。ここまで地上に近づいたのは空で転んで以来だ。さて、ワタシと話したいとは、いったいなんのことだ?」”
(「夜という名の街」より )
“「 このランプの持ち主って誰だかわかる? 」
双子はまじまじとランプを眺めた後に顔を見合わせて、互いにランプを指差した。
「 戻れないね 」
と青目の子が言うと、緑目の子も、
「 戻れないね 」
と言った。”
(「夜という名の街」より )
“「 この、ランプ、は、となりの、家、にいる、わたしの、娘、のもの、だわ 」
「 その子の、名前を、教えて? 」”
(「夜という名の街」より )
i a i
{ 衣 }
屑繭焔色老女二衣
〈 染 〉
紅花 / 虎杖根
〈 素材 〉
屑繭布 / 大麻古布 “ 明治初期 ”
〈 寸法 〉
上衣 身丈58㎝ / 身幅 51㎝ / 背後丈 18 ㎝
下衣 身丈87㎝ / 腰囲 86 ㎝ / 紐丈 75 ㎝
〈 モデル身長 〉
約154 cm
〈 i a i より 〉
屑繭布は、
汚れや穴あき、出殻、浮きしわ、薄皮などの副産物
又、繭の糸口を見出す為にしごきとった緒糸(きびそ)
繰り終えた繭にとどまった繭繊維(びす)などの短繊維を紡いで絹紬糸になる。
要するに、生糸をとるのに適さない不良な繭。
その絹紬糸には個性光る節があり、木綿のように素朴な質感を生む。
屑繭布は製糸・紡績工程でどうしても出る副産物を再利用した糸で織られている。
かすかに、陽にさすと光沢を感じとれ生地がとても軽い割に透け感はない。
私が今、最も愛するお蚕さんの息吹がひそむ布。
第 5 話
夜という名の街
「月へ」「街の人々」
{ 衣 } 屑繭焔色老女二衣
〈 制作 〉
衣 i a i
物語 こじょうゆうや
写真 とうめい
〈 受付終了 〉
こちらの衣と物語のご購入受付は終了いたしました。
ありがとうございました。
exhibition〈 一語一衣 〉は
第 6 話へ続きます。
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