exhibition〈 一語一衣 〉第 6 話




第 6 話 

ほのおの少女

{ 衣 } 手紡木綿火焚土心日々上衣 / 手紡木綿火焚土心日々下衣







“ その間、少女の生活はひとつも変わらない。毎朝決まった時間に起きて、山から朽ちた木を拾い集めては窯の近くに重ねて、火を焚いて、土をこねくり回して何かを作って窯に入れると、火の様子をじっと見つつ、畑仕事に精を出して、日が暮れるという日々を過ごしていた。”




(「ほのおの少女」より )







“「あんたね、ようくお聞き。あんたあの娘に手を引かれてこの村まで来たのかもしれないけど、本当はあの娘に触れることなんて誰もできやしないんだ。あの娘は、炎に取り憑かれちまってるんだ。悪いことは言わないよ。何も起こらないうちに、あんたの町へ帰った方がいい」”




(「ほのおの少女」より )







“ 繊細に削られた線が、気持ちよさそうに大空を飛ぶ鳥の翼を美しく表現していて、陽の光を浴びて反射する翼のきらめきは金粉を添えることで美しさをより際立たせている。誰もが息を呑んでその鳥を眺めた。鳥は少女の手を離れて舞い降りると、そのまま老人の胸元で大きく羽ばたいた。”




(「ほのおの少女」より )







i a i

{ 衣 } 

手紡木綿火焚土心日々上衣

手紡木綿火焚土心日々下衣






〈 染 〉

柿渋 / 茶 / 泥


〈 布 〉

手織木綿 (中国湖南省)


〈 寸法 〉

上衣(手紡木綿火焚土心日々上衣) 

身丈 (前身頃) 65㎝ (後身頃) 76㎝ / 身幅 70㎝ / 袖丈 (首→袖) 61㎝


下衣(手紡木綿火焚土心日々下衣)

身丈92㎝ / 腰囲 105㎝ /袋 (幅)14㎝ , (深さ)20㎝ / 股上 34㎝


〈 モデル身長 〉

158cm








〈 i a i より 〉


中国、湖南省でうまれたというこの布は手紡ぎ手織りの木綿に

私が柿渋と草木灰の灰汁に浸した布。

この手仕事は素材よりも前にまず

布が生まれるまでの歳月の地層が安息にも似た落ちつきを与えてくれ、

心から礼讃せずにいられない。

話を聴いただけでもその情景が、自分の色のなかで広がっていく。

当時の、中国の山や土の匂いをたぐらせてくれているよう。

そして手の心がこもった布が、衣となり人の生活にとけこんで

人とともに土に生きた痕跡が野生的であり木綿糸の一本一本に心がしめされ

僕はこういう生き方がしたいと、心根にやわらかい風がながれる。








第 6 話

ほのおの少女

{ 衣 } 手紡木綿火焚土心日々上衣 / 手紡木綿火焚土心日々下衣






〈 制作 〉

 i a i

物語 こじょうゆうや

写真 とうめい






exhibition〈 一語一衣 〉は

第 6 話へ続きます。




とうめい

とうめいは、 信州佐久、満月をあらわす名をもつ里に きまぐれにあらわれる空間です。